Horseshoe 蹄鉄
扉に蹄鉄をぶら下げると魔除けになると信じられている文化圏があり、多くの国では幸運の
お守りとも見なされている。
一般的な迷信として蹄鉄の鉄尾(末端部分)が扉に留められていれば、幸運が舞い込むとい
うものがある。しかし、両端が下に向いていると不運が舞い込むともいう。ここら辺りは文化
圏によって異なり、2つの鉄尾が下を向いていれば幸運が舞い込むというものもある。
むろん、蹄鉄が普及しなかった国ではこういった風習は見られない。ただし、日本でも自動車
のフロントグリルに蹄鉄を模したアクセサリーを付けることが流行った時期がある。
さらにそれは、馬は人間を踏まないということから、交通安全のお守りとして蹄鉄を自動車に
付けたという説がある。
蹄鉄による幸運も悪運も、それを掛けた人ではなく、その所有者に降りかかると信じられてい
る地域もある。
従って盗んだり、借りたりした蹄鉄からはどんな幸運も得ることは出来ないといわれている。
ある地域では蹄鉄は人目に付くように留められておかないと何の効果もないといわれている。
このような風習の起源は諸説ある。ケルト人がダーナ神族を鉄器と騎馬で打ち倒した事から、
邪鬼などの異界の住人は鉄を嫌うという伝承が起こり、本来の民話や伝説が持つ意味は忘れ
去られ、ただ幸運をもたらすという風習だけが残ったという説。後にカンタベリー大司教とな
った鍛冶屋の聖ダンステンが 悪魔から馬の蹄鉄を修理するよう頼まれた際、悪魔の足に蹄鉄
を打ち付け、痛がる悪魔に、扉に蹄鉄が留められているときは絶対中に入らないという約束を
取り付けようやく蹄鉄を取り外してやったことから悪魔除けとされた説。
女性器の象徴を家の外壁に飾ることで悪魔の目をそらせ家への侵入を防ぐという風習が古く
からあり、馬蹄が女性器を象徴したためこの悪魔除けの力が幸運のシンボルとなったという説。
蹄鉄に打つ鋲の数が7(ラッキーセブン)だったためという説などがある。